2024.03.25
鍼灸院には肩コリや腰痛の患者さんが良くいらっしゃいます。
どちらも鍼の得意とするところ。
なんですけど、
「腰痛が治った」「腰痛が治ります」
などのワードは使わないようにしています。
治る
ってどういうことでしょう?
うちで治療して、肩コリや痛みがスッキリと消えて一生同じような痛みが出なかったら「治る」と言っていいと思いますが、そんなことは稀だと思いますね。
腰が痛くて治療して、たしかに治療直後は良くなって帰りスッキリ。
こういうシーンは何度もありますが、一定の期間が立つとまた痛くなって来たりする方もいます。
肩コリや腰痛の本当の原因など誰もわからないのですから。
実際、現在は西洋医学の世界でも腰痛の85%は原因不明というのが通例になっています。
ヘルニア=腰痛
というわけでは無いのです。
ヘルニアの方がすべてに腰痛が出るわけではありませんし、手術をしようがしまいが2年後の結果は変わらないという報告もあります。
腰痛で病院に行って
「ヘルニアが確認されました、あなたの腰痛の原因はヘルニアです」
という図式は正確ではありません。
ヘルニアが原因かもしれないけど、そうじゃないかもしれません、くらいなんですよ。
なるべく再発しないように始めのうちは週に2回ほどの治療をオススメしていますが、それで痛みがなくなって治療を終了させても1年後にどうなるかはわかりませんので、肩コリ・腰痛は風邪と同じと考えるようにしています。
「うわ〜、風邪引いた〜」
「やっと風邪が治った!」
こういう話はよくされていますよね。
明らかな風邪症状って、ほとんどの人が経験されているのではないでしょうか?
そして元気になって通常通り生活している。
普段から健康に気を使っている人は風邪にかかりにくいし、かかっても治りが早い。
基本不健康な人はすぐに風邪をひいてしまうし、いつでも体調に不安を抱えている感じです。
当院では「自分の身体とどう向き合うか」ということをお伝えするようにしています。
寒気がするのにお酒を飲んだり徹夜してたら風邪ひきますよね。
それと同じように、ずーっと身体が押し固まっていたり、イライラが頭から抜けなかったら肩コリや腰痛はいつかは出てきますよ、どんなに治療をしても。
また風邪をひいてしまうようにね。
自分の身体の「力み」を感じ取る力を養い、適度に運動や休息を取り入れて身体をリラックスさせることが出来る人になること。
これが出来ていて現状痛みがない状態が「治った」だと思っています。
鍼灸や整体は自然治癒力の補佐であって、治すのは自分自身ですからね。
「治す」のは身体ではなく「考え方」かもしれません。
これは、昔の辛かった僕自身と楽しく過ごせている今を比べた結果です。
参考にしてもらえれば幸いです。