2025.03.23
勉強は嫌いでしたけど、意味が分かってくると面白くなってきますね。
ドラムも練習嫌いでしたけど、動きの意味が分かると楽しくなってくるのと同じです。
日曜日に解剖学の勉強会に行ってきました(定例)。
鍼灸師や柔整師など医療関係者が集まり日々の臨床の座談会を行ったあと、学生時代の恩師が解剖学の面白さを説いてくれます。
いつも楽しそうに目をキラキラさせて教えてくださるのでこちらも真剣でありながらも楽しみながら受講しております。
ありがとうございます!
解剖学は見たまんまの構造を学んでいくので、勉強のなかには仮説がなく正直な学問だと思っています。
正直って言い方は語弊があるかな(笑)
しかし先生はその構造から色々な病気に対する「仮説」を語ってくれます。
たとえば、
仙腸関節が歪むと恥骨結合も歪むので前立腺は常に刺激を受けることになるので前立腺がんが増えているのではないか?
なので仙腸関節などで骨盤の歪みを調節することには意義がある!
とか。
先生は病理解剖に長期間携わっていたので信憑性があります。
※「病理解剖」についてはググってくださいm(_ _)m
世の中には原因不明の痛みや痺れなどを含めた病気がかなりあります。
原因不明のものに対しては「仮説」を立てなければなりません。
このとき解剖学による「この形、この構造、この内容物」というような絶対的な事実が一つあることは、すごく重要なのです。
なので治療に悩むとまずは身体の構造を見て、仮説を立てていますね。
今は「脱力」というワードが加わり、さらに絶対的に平等であるものとして「重力との関わり方」を交えて考えています。
そこに中医学的な考え方をプラスしていく感じでしょうか。
いずれにせよ「楽しい」という感覚がないと続きません。
解剖学の恩師の発言はホント楽しいんですよ。
赤ちゃんは泣いているのが運動!
とか、
よだれをよく流す子はよく育つ!
(パロチンの関係)
とか、
舌骨を真ん中に持っていくために肩甲骨を利用する!
とか。
舌骨って喉にあるんですけど、肩甲舌骨筋というマイナーな筋肉があるんですよ。
肩甲舌骨筋はその名の通り肩甲骨から舌骨にくっついているのです。
「舌骨を後下方に引く」という作用がありますが、
「・・・で?」
ってかんじなのですが(笑)、先生は「肩甲舌骨筋」の姿勢に対する有用性を考えていてこの発言に至ったようです。
それから僕も肩甲舌骨筋を意識するようになりました。
マイナーな筋肉でしかも細いので鍼で確実に当てるのは難しいんですけど、肩甲骨から舌骨へのラインと、肩甲骨自体の可動域を広げるための施術を意識することで。
肩甲舌骨筋は「姿勢」のための「左右の肩甲骨のバランス」が重要ということだと思いますが、良い姿勢なのか明確に提示することは難しいですね。
良さそうな姿勢に見えても力が入っていたらそれは良い姿勢じゃありませんし。
僕は、自分に対する重力を感じながら「なぜ背骨がこの形なのか」ということを考えながら自分なりの良い姿勢を作っています。
背骨って筋肉や靭帯、椎間板などのクッションを全部取っ払った状態で、まさに骨だけで並べてもキレイにS字になるんですよ。
背骨(椎骨)の穴にヒモを通してぶら下げるとよくわかります。
猫背は自然なS字に逆らっていますよ。
力が入らず、重い頭を上手く支えてくれる自然な姿勢。
そんなことを自分で考えることが出来るのが解剖学なんですね〜。
骨の模型、当院にありますので今度見てみてくださいね(笑)
色々想像を膨らませてくれますよ!
ということで、とっつきにくそうな解剖学、視点を変えると楽しくなりますので健康のためにオススメです!
最後の画像を。

仙腸関節は仙骨と腸骨の境目の関節です。

仙腸関節で上半身を全て支えているので大きく歪むと色んな問題が出てきそうと想像出来ますね。

ヘソから手で下にたどっていくと硬くゴツっとしたところが恥骨結合です。

恥骨結合のすぐそばに前立腺があります。恥骨結合がズレてしまったら左右のどちらか一方の恥骨が前立腺に当たってしまいます。

この模型は結構ストレートネックぽいんですけど(笑)、頭や腕の重みを分散するように背骨はS時になっています。この生理的な曲がり方を理解することで「良い姿勢」へ自分自身を導けると思いますよ!