2024.03.25
前回の記事では、「目の下のたるみ」は「上眼瞼挙筋の機能不全」で起きる、というお話をしました。
この「上眼瞼挙筋」、40歳を超えたあたりで誰もが衰えていきます。
瞼(まぶた)がうまく開けられなくなっているので、眉毛をあげるような動作で代償し(前頭筋をつかう)、その代償して目をあけていることに我々は気づいていないので老化が進んでいき、結果目の下にたるみが出来てしまうのです。
その順序は?
1.上眼瞼挙筋が衰える
2.目が開きにくいのに気付かず眉毛を上げ、額にシワができる
3.眉毛より上、つまり額にシワがよると、眉毛の下の皮膚は伸ばされてしまう
4.伸ばされたシワは、リラックスしたり顔の緊張が取れると余計にたるむ(鼻根、上瞼、目尻などのシワになる)
5.日常的に眉毛の上下運動を繰り返すので眉毛を固定する靭帯がゆるみ、さらに眉毛上下の皮膚がたるむという悪循環になる
6.上眼瞼挙筋と上瞼(うわまぶた)がくっついている部分まで伸びてしまい、脂肪とともに上眼瞼挙筋全体が眼の奥に後退していき、上瞼がくぼんでいく
7.後退していった上側の脂肪により眼球が収まっている竅(あな)の内圧が高まり、下側の脂肪が押し出される←キタコレ
8.さらに視力の低下などで目を細めて見るために眉間にシワを寄せるという悪循環に陥る
目の下のたるみの犯人は「脂肪」でした。
目の上は引っ込み、下は突出してくるのでさらに「目全体が凹んだ状態」になってしまいます。
さて、どうやって防ぐのか?
いわゆる「老化現象」なのですが、まずは出来ることをやって「抵抗」しましょう。
上眼瞼挙筋を鍛えるのです。
額に手をあてて、おでこにシワが寄らないように上の瞼(まぶた)だけを使って目を開く運動をしてみてください。
開けたら5秒キープを10回を1セットで、朝と夜1セットずつが目安です。
額の手に「動き」を感じてしまったらそれは「額の筋肉」を使ってしまっている証拠です。
すぐには効果は出ませんが、老化現象に対抗するためには日々の努力が大切。
めげずにやっていきましょう。
上眼瞼挙筋の機能不全は「目の下のたるみ」の原因であることに間違いはありませんが、
二重あごの記事にも書いたように、顔は「表在性筋膜」に覆われています。
上眼瞼挙筋だけでなく、「こめかみ」や、頬骨の下のライン、眉毛の上、頭皮など、広く全体的にケアすることで効果が出てきます。
蒸しタオルなどで目を含めて温める、ということに関してはどの症状に対しても有効でしょう。
血流がよくなり、筋肉自体も柔らかくなりますからね。
美容鍼では関連する筋肉の拘縮を取ること、血流を良くすることで目の下のたるみと戦っていきます。
また、上眼瞼挙筋だけでなく支持組織のゆるみや骨の萎縮といったこともこの現象を助長するので、
日々の食事、睡眠、姿勢、運動などが大きく関わっていることは言うまでもありません。
さあ、みんなで上眼瞼挙筋を鍛えて「目の下のたるみ」とおさらばしましょう!