2025.01.21
2024.12.28
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鍼灸院ブログ
中医学では、「食」というものを非常に大切にしています。
食事を受け入れ消化吸収する機能のある臓腑「脾胃」は気血生化の源と呼ばれ、五行学説では木火土金水のうち、母なる大地の「土」の属性を持っています。
簡単に言うと「全ては食事から始まる!」といった感じでしょうか。簡単すぎかな(笑)
でも確かにそうですね、食事しなければ我々は生きていけませんから。それが良質な内容であればあるほど人を元気にしてくれます。
現在も私は糖質制限食をしていて非常に体調が良いですが、患者さんから大変興味深いお話を聞きました。
その方は50代後半の男性で、4年ほど前100キロ近くあった体重を4ヶ月間炭水化物、お菓子、ジュースを止めただけで70キロまで落ちたそうです。
「4年前なんて糖質制限という言葉がまだ珍しかったころですよね!」
と驚くと、子供の頃から糖質制限のことは知っていた、というのです。
「なんでもバランスよく食べなさい」
とお母様にいつも言われていたらしく、その「バランス」がすごいのです!
50年ほど前にもかかわらず(50年前ですよ!)、ワンタンの皮でチーズを包んで揚げたものや、肉料理の数々、野菜料理各種がならび、白米もあまり出てこず当時から発芽玄米がよく出てきたそうです。
他にも、
サラダ油はダメ、バターのほうが良い
30年以上前からエゴマ油、亜麻仁油を使用
糖質の取りすぎはダメ(でも全く取らないわけではない)
などなど、今でこそ取り沙汰されていることですが、当時では思いもつかないような内容を
「成分を理解すれば何をどれだけ食べればよいかわかる」
と強い信念で貫き通していた、ということなのです。
現在日本で推奨されている「バランスの良い食事」はこんな感じです。
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3大栄養素のバランスで、炭水化物(糖質)55〜60%、たんぱく質15〜20%、脂質20〜25%で「主食の穀類を増やす。豆・野菜・海草などの植物性の食品を多くして、動物性の脂肪やタンパク質を多く取り過ぎない。」
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しかし、この方のお母様は「すべての栄養素を均等に」が基本の考え方で、もちろんそれは動物性の脂肪やタンパク質も含めたもので、糖質55%は摂取しすぎ、という考えみたいですね。
結果、この方の学生時代は超健康優良児だったそうですよ。
お母様も現在90才近くらしいのですが、
「驚くほど頭がハッキリしていて今でも自分を子供扱いするんです」
とのことでした。
ちなみにこの方が学生時代、お弁当は友達が群がるほどの人気で、本人はほとんど食べられなかったそうです(笑)
そして「母親の料理が一番旨い」と恥ずかしげもなくおっしゃっていました。
本当に羨ましいと思いましたね。
「バランス」というのは、中医学で最も大切なことです。
悪いところだけを見るのではなく、全体を見るのが中医学ですからね。
中でもその中核を担うのが「脾胃」、それは母なる「土」の属性。脾胃は「甘」との関連が強いとされています。
現在人の炭水化物(糖質)の摂取量は多い!と思っていたときにこの話を聞いたので、本当にしっくりきました。
この方のお母様はもちろん栄養士で「管理栄養士」という制度を確立するのに大きく貢献した方だそうです。
凄すぎです!
文字通り「母」から教わった今回のお話、「バランスのバランス」を改めて考えなければならないと思わされたのでした。
本当に治療の参考になります!
ありがとうございました!!