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鍼灸院ブログ

なぜ脈を診るのか?

2015.08.30 カテゴリー:治療について 脈診 

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鍼灸治療でよく見る光景、脈診。

中医学では片手ずつ、手首に3本の指を当てて脈をとっていきます。

何のために脈をとるのか?

それはもちろん、現在の身体の状態を知るため、つまり臓腑(肝・心・脾・肺・腎)や気・血・津液の状態を診るわけですが、具体的にはどのようにして見分けるのでしょう?

そもそも、そんなこと出来るの?と思いますよね。

 

 

鍼灸治療は、いわゆる経験医学です。

「この症状のとき、脈はこんな感じだった」

という情報を蓄積していったのですね。

わかりやすいところでは、身体に熱を持っているとき脈は速くなり、寒さで身体が冷えたとき脈が遅くなる、といったことです。

これはひとつの例ですが「一息する間での脈の回数」を確認することによって、多ければ発熱や炎症を持つ「熱証」、少なければ体内の陽気が失われた「寒証」を疑うという理論が確立されていきました。

他にも「ひきはじめの風邪のとき軽く触れただけで脈が取れた」「ひどくイライラしている人の脈はまっすぐでビンビンしてた」「妊娠中は滑るような脈だった」というような例を積み上げていきました。

膨大な情報の蓄積により脈の速い遅いに加え「脈の浮き沈み」「脈の力強さ」「脈が指先に触れる感覚の違い」などで脈状が細分化されていき、やがて体内の気血や臓腑の情報が分かるようになっていったのです。

 

さらにもうひとつ利点が。

脈はその人の最新の病状を教えてくれます。

そこに嘘偽りはなく、触れた脈状は紛れもない事実です。

エネルギッシュに過ごしている人の脈は力強く元気な拍動で、逆にいつも疲れている人の脈は弱々しい脈というように、確かにその人のイメージ通りの脈の場合もありますが、けしてその限りではありません。

治療において一番やってはいけないことは、「先入観で病状を判断してしまう」ことです。

脈を診ることで客観的に、より正確な患者さんの情報を得ることが出来るのです。

 

これが脈を診る理由です。

 

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